医院名:まえだファミリークリニック 住所:〒175-0092 東京都板橋区赤塚3丁目9−1 電話番号:03-3979-0901

過敏性腸症候群

過敏性腸症候群

腹部の不快感や腹痛の症状に加えて、下痢や便秘などが慢性的に繰り返される疾患を過敏性腸症候群と言います。腸と脳は密接に関係していて、脳がストレスや不安を感じることで、そのストレスが信号となり腸に伝わります。ストレスの信号が伝わりやすい状態、腸が反応しやすくなっている状態が過敏性腸症候群です。

下痢や便秘が起こる仕組み

私たちが食べた物は胃から腸へ運ばれますが、この際に消化された内容物には水分が多く含まれています。通常、およそ20時間以上かけてゆっくりと腸内を通り、これらの水分の一部が腸に吸収されることで適度な硬さを保ち、便として排出されます。
しかし、過敏性腸症候群の場合は、この消化途中でストレスや不安などの影響を受けて腸の動きに異常が生じます。ストレスの信号によって、腸が過剰に動く、或いは腸運動が鈍くなります。また、腸で水分を十分に吸収できないと、便がゆるくなったり、液状になったりします。逆に、腸運動が鈍くなると、腸内に長時間消化物が留まるため、水分が腸に吸収され過ぎて便が硬くなって便秘となります。

日常生活への影響

身体の不調や環境・食生活の変化によって腸の異常があるのが通常ですが、過敏性腸症候群の場合は日常生活のなかでストレスを感じる度に腹痛・下痢・便秘が引き起こります。これらの症状が起こることに対して不安感やストレスを感じ、電車に乗ったり外出したりすることが怖くなり、さらに外出先の症状に悩まされるといった悪循環を招いてしまいます。過敏性腸症候群では、以下のような症状が現れ、日常生活に影響を与えます。

  • 通勤中の車や電車に乗車中、急にお腹が痛くなる
  • 通学中に急にお腹が痛くなる
  • 公共の乗り物に乗車中にトレイに行きたくなる
  • 会議や試験など、緊張する場面になるとお腹が痛くなる
  • 外出中や旅行中などでお腹が痛くなり、トイレがないと不安になる

これらは、ストレスなどの心的緊張に腸が過剰に反応する際に、セロトニンという物質が関わっていることが判明しています。セロトニンは、情報伝達を行う物質で、このセロトニンを上手にコントロールすることで、ストレスを感じてもつらい症状を抑えられるということが分かってきました。

過敏性腸症候群の診断と治療について

問診にて、腹痛や下痢などの症状がどんなときに起こるのか、どれぐらいの時間起こるのかなど、症状の内容などを詳しくお聞きしていきます。それと同時に、ほかの疾患の可能性の有無を診断していきます。基本的には、食生活を中心に睡眠習慣などに気を付けて腸の調子を維持していきます。

①腸に負担をかけない食事

これまでのご自身の食事を見直していきます。繰り返す下痢にお悩みの場合は、腸に負担のかかる食事を避けます。冷たい物や辛い物、脂っこい物を控えましょう。乳製品や酒類も下痢を引き起こすため控えることをおすすめしています。一方、便秘でお悩みの場合は、香辛料などの刺激の強い物を避けます。水分摂取と食物繊維を積極的に摂ることで、便を柔らかくしていきます。

②腸の働きを整える運動療法

ストレッチやウォーキング、散歩など身体に負担のない運動がおすすめです。運動は、腸の働きを正常に整える効果が期待できます。さらに、ストレスの解消になるため、過敏性腸症候群の症状改善にもつながります。就寝前や起床時に軽くストレッチをして身体を伸ばすなど、日常生活のなかで身体を動かすことを取り入れてみましょう。

③薬物療法

過敏性腸症候群の症状で日常生活に支障をきたしている場合は、薬を使った治療が効果的です。薬は、患者さんの症状に合わせて処方されます。腸機能を正常化する薬のほか、腸のセロトニンに働きかけて、確実に症状を改善する薬などが使われています。過敏性腸症候群は、食事療法・運動療法と合わせて薬物療法を行うことで治る疾患なので、気になる症状がある方は早めに当院にご相談ください。

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